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非営業職求人

華南地方の日本人の求職は営業職や技術職に偏重しているようです。どこの人材会社のサイトを開けても出てくるのは営業ばかりで、後はSMTエンジニアだの金型のできる人だのぜんぜん自分に関係ないものばかりです。挙句の果てには工場長だの副総経理だの応募したら笑われそうなものまで。日本の人材派遣会社のサイトではどちらかというと「時給1800円」の補助業務がたくさん載っているのにこれはどうしたことでしょう。中国で働くのを夢見て求職活動を開始しても、この求人内容にがっかりしてあきらめてしまう方が多いのは残念です。

そもそもなぜこうなってしまったのかと言えば、一番の理由は、中国人でできてしまう仕事に日本人を採用することはないからです。日本での「時給1800円」の仕事はこちらではほとんど中国人がやることになります。あと、華南地方では製造業に業種が偏っているということもあるでしょう。エステ、ゴルフショップなどの華やかなものは非常に少なく、また、金融バックオフィスなど事務職に高いお金を払う職種も少ないです。

それでは、「技術屋ではないし、営業も管理職も苦手だ。新製品を売り歩いたり、工場で中国人従業員を管理したりするのは性格的に無理だ。」こうした場合、どうやって仕事を探せばよいのでしょう。仕事が決してないわけではありません。営業や技術、管理に比べて緊急ではないので企業が積極的に求人を出さないだけで、潜在的には仕事はたくさん存在します。

生産管理

生産管理は技術の仕事ではありません。工場のものの流れをコントロールして、生産が順調に行くように管理する仕事です。顧客からの注文に基づき現在のラインの稼動状態や資材の在庫から生産計画をまとめて製造部や購買などに指示を出して実行させます。といっても最近は工場の中には生産管理のシステムが入っているのでかなり自動化されていて、主な仕事は工場の各部署(営業、生産部、資材、購買部)との連絡役や調整役が多いです。また、顧客の注文のバックログや工場の稼働率、利益率などを報告して工場の販売計画や設備投資計画にもかかわってくるので、調整役と言っても重要です。

総務

工場の中に日本人が多い場合は、どうしても雑用係としての日本人が必要になることがあります。例えば駐在員の給料の管理やゴルフ会員権など優待券の管理、各種日本人会とのやり取り、日本への帰国や出張の手配、日本からのお客さんの接待などで、なんとなく日本人にやってもらったほうが便利なことがあります。仕事は主に工場の中での勤務です。忙しくはないがお客さんが来たときなどは付き合わされることになります。この求人の必須条件はとにかく世話好きであること。あと、中国語は最低日常会話でしょう。中国語が堪能な場合は中国人工員と積極的に交わり、悩みを聞いたり仲裁に入ったりすることもあります。中には日本人から中国人の動きを教えてくれ(つまりスパイ)と頼まれることも、、、

購買

購買の仕事は中国人がすることがほとんどですが、企業によっては痛い目にあうことがあります。購買は利権の温床であり、購買担当者が実情よりも高い値段で購入してベンダーから裏リベートを取るなどが結構頻発しています。そんな場合は日本人なら悪いことはしない(というかやり方を知らない)だろうということで役目が回って来ます。この場合、例えば電子部品など専門的なものは難しいが、ハンドバックの皮や石材など、経験者が応募してくる可能性が皆無で、覚えるのも難しくない場合は素人歓迎になります。必要な技能は中国語とパソコン(Excelなど)。

同じ理由で財務会計も日本人の求人が多いです、こちらはさすがに経験者のみでしょう。

貿易

華南地方は香港を抱えていることから、貿易の仕事がなくなることはなさそうです。

中国本土で物を買い付け、香港を通して日本や欧米に輸出するのが一番多いです。香港勤務の場合は日本のお客さんや商社とのやり取り、中国本土側では香港法人とのやり取りと、工場とのやり取りが主です。そのうち工場とのやり取りは日本人が直接やるのはかなり難しく、なんせ中国の工場は目を離すと検査をせずに出したり、納期を守らなかったり、言ったものと違うものができてきたりありとあらゆる問題が起きます。これは工場監視役の中国人に任せるとして、日本人はこの中国人とペアを組み、半分はオフィスに座って日本のお客さんや香港法人とメールでやり取り、後の半分は工場を見に行ったり、日本からのお客さんを工場や深センの町に案内したり、香港に日帰り出張したりすることになります。

必要な条件は香港側では貿易と英語、中国側では中国語。また、貿易は正しいものをタイムリーに届けなければならないので、処理が早くて几帳面な人が向いており、事務の経験が生かされるといえるでしょう。

翻訳

翻訳、通訳に関しては、単純に考えれば日本語を話す中国人を雇ったほうが効率がよいと思われがちですが、実はそうとも言えません。日本語のほうが中国語よりも複雑で習得しにくいということに加え、華南地方は日本語人材の供給が北のほうに比べてかなり少ないですから、日本語ができる場合も通訳としてとどまるのではなく、他に技術を覚えて複合人材として高給を狙う場合が多く、優秀な中国人は流出してしまいます。

また、そもそも日本語を中国人が100%習得することは不可能ですし、中国語から日本語に翻訳する過程で日本人にお伺いを立てたいということは常に存在します。どの翻訳会社でも日本人を何人か置いておきたいと思うのは当然です。

ただし、翻訳会社の中にも、オフィスを構えて大々的にやっているところもあれば、オフィスが存在せず原稿をメールで転送し、アルバイトの在宅勤務でやってしまうところなどいろいろです。また、一般的に利益率は低く、日本人に高給を出そうというところはないでしょう。むしろ修行のためと割り切った方がよいかもしれません。中国語の伸びはかなり期待できます。

日本語教師

日本語教師というと日本では資格がないとまず相手にしてもらえませんが、中国では日本人が不足していることもあり、待遇さえ気にしなければ素人でも仕事を得ることは可能です。ただし、最近日本人の応募者が増えてきたので上海、北京などと同様に、華南地方でも以前ほど容易ではなくなりつつあります。給料は華南地方では2000−4000元が相場です。給与は安くても自分の時間が持てるのが魅力です。人材会社に注文を出すことはほとんどなく、直接応募が主流です。

接客

華南地方でこのような求人は今まで皆無でした。しかしながら華南地方も上海のようにサービス業が発展してきているので、深センでも例えば日本人をターゲットにした医療機関や、各種飲食店、ナイトクラブなどがどんどん進出しています。もし金銭的に余裕があれば日本人を受付や店長にしようという企業は少しずつではあるが出てきています。また、かねてからホテルでは日本人の求人があり、給与はフロントで4000−10000元です。営業であれば8000−16000元なので、やはり給料では営業にはかないません。営業の場合は日系企業にコンタクトしてホテルの法人客になってもらうのが仕事です。

コンサルティング

華南地方では企業向けの中国進出だとか生産管理、財務会計、法律ITのコンサルなどが多いです。とくに、WTO以後深センや広州などで外資系の会社が新しい拠点を作ることが増えていますが、すべて自分でやるのも難しいので地元の日系のコンサルティング会社に業務の代行を頼んだりします。コンサルティングの仕事は日系企業との窓口となって企業の問題点を探り出し、現場の中国人に伝えて一緒に解決策を見出すなどのコーディネーターの役割が期待されます。人助けの好きな人、専門知識を身につけたい人に向いています。

以上のような「非営業職」求人ですが、営業ではないといっても一日中オフィスでPCに向かって仕事をするわけではなく、日本人の感覚で日本人とやり取りすることを求めることがほとんどですから「日本人らしさ」とともに、本人の人格やコミュニケーション能力が重要なのは言うまでもありません。