日本人営業は万能?
ブルーネット人材 業務経理 笹谷浩之氏
本当に必要なのは営業職なのか?
日系製造業における日本人の求人募集は、技術者や管理職の他、営業が多くなっています。優秀な日本人営業員を雇って対日系企業の売上げ増を狙うわけですが、必ずしもこれが思った効果を上げるとはかぎりません。
もちろん、例えば新工場立ち上げ時に取引先を十分に確保できなかったなどの場合、営業は有無を言わさず注文を取って来なければならないでしょう。この場合、「とにかく新規顧客を獲得できる営業」を募集することになります。
しかし一方で、既存の工場でどんどん顧客離れが起こり、ラインに余裕ができてしまったなどの場合はどうでしょうか。時としてこのような企業から営業人材の依頼をいただくのと同時に、以前その企業に勤めていた人材の方から、「注文を取っても、注文通りの製品を作ってくれない。品質が悪いのにごまかして納品されてしまい、顧客の信用を失ってしまった」などと聞いたり、その企業の取引先の方から「あそこの企業は内部の連絡がうまく言っておらず、売った後のフォローもなければ、納期も守れない」などと伺うこともあります。つまり、求人を出す企業は営業力不足と考えている場合でも、実は出す製品の品質に問題があったり、あるいは営業と工場の連携不足や責任感の欠落、納期や品質の重要度に対する無理解などが原因であることもあり得るわけです。
日本人顧客対応窓口の重要性
もちろん、問題が品質自体にある場合は生産方法や品質管理の改善を図ることが必要でしょう。しかし、単に顧客と工場のコミュニケーションがうまく行っていない場合は、顧客対応窓口に日本人を置くことで事態が打開できることがあります。仕事の内容は、顧客の要望を正確に生産現場に伝え、決められた納期と品質で確実に納品できるように工場と顧客の間で調整することです。求人の条件は、中国語ができることの他にチームプレーができて責任感があることでしょう。
実はこのような人材を見つけるのは決して難しくありません。中国には中国語を学ぶ日本人留学生が多く存在し、彼らは中国語を使って仕事をすることを希望しています。中国人に囲まれるこの仕事は彼らの希望通りであり、もし職業人としての最低限の常識を持ち合わせていさえすれば、彼らが活躍する余地は大きいでしょう。
一方、営業のできる日本人を見つけるのは顧客対応窓口に比べ難易度が高いです。営業センスは天性のものですし、中国では営業のノウハウを先輩から学ぶ機会も少ないので即席営業員の育成も難しいと言えます。適任者が少なければ引っ張りだこになり、希望給与も高くなってしまいます。
いずれにせよ、営業力アップを図りたい場合は内部の顧客窓口も選択肢に入れることによって探す人材の幅が広がると言えるでしょう。